着任挨拶

令和7年1月21日
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ご挨拶
 
 このたび、駐タジキスタン日本国特命全権大使として着任致しました古田恵子(ふるた・けいこ)と申します。1月21日、信任状の写しをナスレディン外務第一次官に提出し、大使としての実質的な活動を開始しました。
 
日本にとってタジキスタンは、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化する上で重要なパートナーであり、両国間では様々な分野で対話や交流が着実に行われています。また、日本が他国に先駆けて始めた中央アジア5カ国との対話と協力の枠組み「中央アジア+日本」対話は、昨年、創設20周年を迎え、タジキスタンを含めた中央アジア諸国との関係を今後、より高いレベルへ、より緊密な協力関係へとさらに発展させるものと期待が高まっていると感じています。昨今の複雑な国際情勢下で日本とタジキスタンとの両国関係を更に発展させる意義は大きく、このような時期に日本国大使としてタジキスタンに派遣されたことを大変光栄であるとともに、責務の重さを感じております。

 ドゥシャンベに到着する直前、真夜中ではありましたが、機内からドゥシャンベの街を囲んで美しい山並みが広がっているのを見て感銘を受けました。タジキスタンが自然豊かで国土の90%以上を山岳地帯が占めると聞いてきたことを実感しました。日本も国土の約75%が山岳地帯で、海に囲まれた島国という違いはありますが、起伏に富んだ自然の美しい国として相通ずるものがあると感じました。パミールの山々を含めた世界自然遺産に加えて、古代都市や近隣諸国と合わせたシルクロードの世界文化遺産もあり、自然が美しいだけではなく、長い歴史と豊かな文化を持つタジキスタンをより深く知る機会が訪れることをとても楽しみにしています。
 
日本とタジキスタンの両国民は、互いに良い感情を持っていますが、お互いを更に知る余地がまだあると思います。日本人には、タジキスタンを含めた、東西の歴史と文化をつないだシルクロードにノスタルジー的な、あるいはロマンチックな感情を抱いている人も多いと思います。しかし、現在のタジキスタンの実情を知る人はまだ少ない状況です。タジキスタンの人たちにも日本についてもっと様々な面を知って頂きたいと思っています。
 
 タジキスタンと日本との関係には未だ生かされていない潜在性が多くあると確信しています。両国間、両国民間の友好的、互恵的関係を今後更に発展させるよう、精一杯努めて参ります。皆様のご支援、ご叱声をお願い申し上げます。
 
令和7年1月21日
駐タジキスタン特命全権大使
古田 恵子