宮下孝之 大使の着任の挨拶

2019/11/20
宮下孝之 大使 タジキスタン大使館ホームページ読者の皆様

 駐タジキスタン2代目大使として着任した宮下孝之です。11月20日,天皇陛下にご署名頂いた信任状をラフモン大統領に奉呈し,大使としての活動を正式に開始しました。前任地はアフリカのルワンダという内陸国でした。25年前に勃発したジェノサイド(大虐殺)により,わずか3ヶ月の間に100万人の国民が殺害された悲しい歴史を背負う国ですが,今や国民が一致団結してICT立国による国造りに励んでいます。
 
 新任地のタジキスタンは,ルワンダと同じ内陸国ですが,多くの点で異なっています。タジキスタンという国は,日本ではほとんど知られていませんが,地理的には「中央アジア」と呼ばれる地域にあって,国際政治の観点からは,特に地政学的に非常に重要な国です。この国は東の大国中国,そしてロシアや米国といった世界の超大国,さらにイランやトルコといった周辺の大国との微妙なパワーバランスの中で,したたかに生き抜こうとしています。特に南側には1400キロに及ぶ国境で隔てられたアフガニスタンがあることから,テロリスト集団ISを始めとするテロの脅威に常に晒されています。万一テロリストが国境を越えてタジキスタン国内に入り込むようなことがあれば,そこから世界は大きな影響を受けます。この観点から,タジキスタンの国境管理能力の強化は,国際社会の安定にとって極めて重要であり,国際社会共通の課題でもあります。

 日本とタジキスタンは伝統的に友好関係にあり,多くの分野で両国関係は進展していますが,特に昨年10月,ラフモン大統領の訪日によって,二国間関係はひとつのピークを迎えました。大統領訪日の際に,安倍総理とラフモン大統領が署名した共同声明については,両国政府で協力しながら実施しています。特に日本政府としては,タジキスタンの発展と国民の生活向上のためのプロジェクトを引き続き支援していきます。また,国境管理能力強化については,引き続き関連の国際機関とも連携して,積極的に取り組んでいきます。

 タジキスタンは親日的な国で,日本文化に興味や憧れを持つ国民も少なくありません。これまで日本政府としては,対日理解の促進と相互理解の増進のため,数多くの文化行事も行ってきました。本年3月には,国際交流基金の助成を受けた和太鼓の公演なども実施しました。また10月には,サッカーワールドカップ予選の「日本対タジキスタン」戦が当地で開催され,多くの日本人サポーターが当地を訪問したところです。
 
 これから日本とタジキスタンの二国間関係は,次のピークに向けて発展していきます。当館の活動や二国間関係の進展については,このホームページを通じて節目ごとにお知らせしていきますので,当館ホームページには時々目を通して頂けると幸甚です。

令和元年11月20日
駐タジキスタン特命全権大使
宮下 孝之